KRANK KRANKENSTEIN 修理
KRANK KRANKENSTEINの修理を行いました。
このアンプは泣く子も黙る、ダイムバック・ダレルのシグネイチャーモデル。
オーナー様曰く、中古で購入した時からノイズが多かったのですが、数ヶ月前に膝くらいの高さから誤って落としてしまい、より一層ノイズがひどく音圧も下がってしまったとのこと。。。
確かに落下させた形跡が見られます。
受入チェックの段階で、ゲインを上げていくとある時点から激しく”発振”のような症状が発生し、パワーがガクッと落ちてしまします。
発振・ノイズを抑え込む方向で作業を進めました。
真空管テスタでチェックするとハイゲインチャンネルのプリ管3本が激しく消耗していました。初段にノイズに強いタイプの真空管を入れます。
メイン基板のハンダを修正します。落下の経緯があるので真空管ソケット、その他のハンダも修正。
更にシールド線が無駄に長く、発振・音質劣化の原因になるので短く作り直しました。更に各グランド配線もキチンと接地されているか全て確認。
これで大分ノイズ、発振もおさまりました。
こちらのアンプ、基本回路はほぼREVOLUTION1ですが、最終段で更にゲインを約4倍に持ち上げています。KRANK KRANKENSTEINのマニュアルで面白い記述を発見しました。
「常にマスターボリウムよりチャンネルボリウムを下げてください」
元々チャンネルボリウムを上げすぎると発振しやすい回路なのかもしれません。。。
各部のクリーニング、真空管ソケットクリーニングをして、バイアス調整、6時間のランニングテストをして修理完了です。
オーナー様にも大変喜んでいただきました。ありがとうございます。
一点、こちらのアンプのpresenceは一般的なアンプのpresence回路と異なり、下げ過ぎると出力も下がってしまい、音抜けが格段に悪くなります。出来るだけ上げる(5−8くらい)と音作りしやすいかもしれません。
ご参考までに。